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    『ちはやふる』
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      驚き、そして心揺さぶられた。作者の情熱に、登場人物の輝きに。

      私はおよそ本と名づけられているものが好きで、文芸小説も、古典も、雑誌も、ライトノベルも、漫画もよく読みます。
      私が読書するのは、もう呼吸のようになっているのも確かだけれど、より多くの人生を生きたいからだと思う。強制されているわけでもない、知識を渇望しているわけでもない、とにかく無数のストーリーをこの身で感じ取りたくて、読んでいるのだと思う。この身はひとつで、人生は一度きりしかないけれど、本はいくつもの人生や生き方や人の心を教えてくれる。読めば読むほど、それだけ多くの一生を生きられる。人間の本質は単純だが、その人生は十人十色で奥深い。人間の私にとって、人間ほど興味深いものはない。

      しかしながら、面白い作品はこの世に星の数ほどあれど、「これは」というものは非常に少ない。
      読む者に、言葉で形容出来ないような感想を抱かせる、作品。嬉しいとか、悲しいとか、切ないとか、そんな言葉ではとても形容しきれない、駆け引きとかトリックとか展開とかが面白い、という技巧的な面だけではなくて、読んだことで心のどこかをぎゅっと握られたようになる作品。

      そういう数少ない作品のひとつが、『ちはやふる』だと思う。

      主人公は明るくて単純なふつうの小学生6年生の女の子、千早。
      ふとしたきっかけで福井からきた転校生・新の競技かるたへの情熱に触れ、自身もその道を歩き出す…

      まず、競技かるたって何ぞ?と。かるたは誰でもやったことがあるだろうけど、“競技”ってどゆこと?
      それから、何でまたこんな地味な題材をテーマに漫画なんて…、ていうかこの人って…etc
      読み始めるまでにはけっこう長い時間がかかりましたわ。
      私はほぼ一日に一回は本屋に行きます。ので、漫画も小説も参考書も写真集も雑誌も、新刊が出てればすぐにわかります。『ちはやふる』も一巻が出た時から認識はしてました。私は小倉百人一首が好きで、小学生の頃にほぼ全首を覚えているので、「ちはやふるって、あの「ちはやぶる〜」のことかな?」となんとなく興味をもってはいたのですが、作者のことやテーマのマイナーさなど、いろいろな要因からなかなか手は出ませんでした。
      作者のこと…というのは、この作者は以前、不祥事を起こしています。彼女はかつて、クリエイターとしてしてはならないことをしてしまいました。私は中学生ごろからけっこうディープなコミックファンだったし、その時のことを知っていました。彼女の連載が打ち切られ、当時の作品掲載雑誌にお詫びの文章が載った事も覚えていました。
      彼女が起こした不祥事というのは、平たく言えばコピー。他の漫画家の作品の物語やネームをトレースして、それを自分の漫画の中に組み込んでいたのです。彼女の作品を読んだことはなかったのですが、彼女がコピーしていた作品は私がとても好きな作品だったので、よく覚えていたのです。当時のお詫びの文章も微かながらに記憶に残っていて、作者自身その作品が好きで、知らず知らずのうちにコピーしてしまっていたというようなものだったと思います。
      当時ネットはあまりやっていなかったのでよく知りませんが、おそらく激しく叩かれたのではないかなと思います。彼女がお詫びの文章に書いたことが本当かどうか(コピーが故意だったのか、無意識だったのか)は読者には分からないけれど、おそらく多くの読み手はネガティブな方と認識したでしょうしね。

      実際、漫画や小説の世界で完全なるオリジナルというのは不可能なんじゃないかとたまに思います。というか、どこからがオリジナルで、どこからがコピーなのか、という線引きが非常に曖昧なんですよね。
      少女漫画にも枠組みがあります。求められているものってある程度決まっているんです。人物設定とか、展開とかでね。たとえば、読み切りを持たない漫画家や新人が30〜50ページの読みきりの作品を発表するための雑誌は毎月刊行されていて、一話の中でそういう枠組みから外れず、自分だけの物語を作り出すことがいかに難しいか。まぁそこで絵の上手さやらなんやらで他の作品と自分の作品を差別化できた人が売れっ子の連載作家になれるわけですが、私が言いたいことはそういうことではなく、そういう雑誌の上ではほぼ皆パクリみたいなもんってこと。
      ただ、有名になればなるほどその責任は重くなるし、クローズアップされるようになる。逆を言えば、彼女が既刊を二十冊以上も持つ売れっ子の作家でなければ、コピーだなんだと糾弾されることもなくただ他の作品と差別化することができなかった作家として消えていくだけだったんです。
      でもそもそも彼女がそんな連載作家になれたのは、最初に他の作品と差別化できていたから。彼女の作品に何らかの独創性があったからです。それなりのファンがいたし、期待もされていた。だからそれと比例して、自分を見失った漫画家に対する失望や過ちに対するバッシングは大きかったんです。
      あんな「お詫びの文」なんて見たのは私自身初めての経験だったし、あれから後も見たことがない。そのコトの重大さを当時もなんとなく感じ取っていて、「ああ、この人はもう戻って来れないだろうな」と思いましたよ。実際に彼女の既刊は全巻絶版になり、紙上から彼女の名前は消えました。

      そういうわけで、なかなか手が出なかったんですよね。
      正直いちコミックファンとして、パクリなんてやっておいてまたのうのうと、という思いもどこかにあった。だから、一巻が出、二巻が出、続刊がどんどん出て本屋でも平積みになっているのを見て、無かったことにすんのか、金儲け主義の大人の世界はこれだからいやだ、と自分の中で思っていた。

      そんな私がこの作品を読むきっかけになったのは、マンガ大賞。ご存知の通り『ちはやふる』は2009年マンガ大賞受賞作品。このマンガ大賞というのは、書店の漫画担当の方などが有志で集まって友人に勧めたい漫画を選ぼうという主旨の賞なのです。つまり、マンガ好きの、マンガ好きによる、マンガ好きのための賞。ほう、そこまで言うなら読んでみようじゃないかと思い、やっとのことで手に取ったのが去年の9月。

      うん、よかった。
      過去に縛られて偏見を持って、この漫画を手にとってみることすらしない人にならなくて本当によかった。
      既刊は八巻まで、まだ終わる気配すらないし終わって欲しくもないけど、これは殿堂入りだ。私の中の殿堂入りだ。

      過去が完全に関係ないとは言い切れないよ。きっと彼女を否定的にとらえる人だってまだたくさん居る。それでもまた、ここまで這い上がってきた作者の末次由紀の努力や情熱はどれほど大きいんだろう。そう思わずにはいられない作品だった。
      この作品の中に詰め込まれている感動は、ことばでは表しきれない。ただ、一巻の一ページ目を開いた瞬間惹き付けられて、その世界にもう夢中になってた。

      途中、復帰した作者に対して「今更またのうのうと、」と思ったと書いたが、『ちはやふる』を読んで、なんだかわかった気がする。この作品を発表したことが彼女の何よりの謝罪であり、また罪滅ぼしなのだと。自分の過ちを消すことは出来ないけれど、自分の精一杯で一から作品を描くことで、その作品で読者の心に何かを残すことで、彼女は謝罪し、過去を埋め合わせ、そしてその先へ進もうとしているのだと思う。


      さて、いつの間にか作者の話ばかりになってしまいましたが、内容にも触れてみようと思います。
      この作品の魅力はたくさんあります。それは大きくわけて五つ。
      (顕雰蓮体育会系?マイナーな“スポーツ”、競技かるたの魅力
      ⊂学校から始まり、高校でメインの物語が繰り広げられる、それに伴い垣間見える登場人物たちのそれぞれの成長
      C犬、切なく、緩やかな恋
      っ膣屬鯀曚β困させちを思い出させてくれる、文化系のスポ根
      ジ電汽侫.鵑鯀やしそうな、美しく鮮やかな和歌の魅力

      まず、,ら。
      正直私も競技かるたって何?って最初思いました。でも内容を知ればなんのことはない、中学校で自分も学内大会に参加していた、百人一首の下の句が書かれた札を並べてそれをとるというかるたのことでした。もちろんレベルは全く違いますが!
      本当にハイレベルな世界は、NHKかなんかのニュースでクイーン戦(たぶん)をちらっと見たことがあるだけ。初めて見たときは衝撃でしたよ。パァン!って札が吹っ飛ぶの、あれかるたなん?っていうか飛ばす意味がどこに?とかいろいろ思いました。100分の1秒を競う“スポーツ”だとは思わなかったから。
      それから、正直かるたがあんな頭脳戦だとは思いもしなかった。始めて漫画読んだ時は、机くんと一緒で「ウソでしょ?」って思ったもん笑 『ちはやふる』読むといろいろ分かるのですが、本当に頭も体も両方酷使するスポーツです。頭は、置かれている札の位置を正確に覚えているのは大前提で、百首の状態(読まれた札はもちろん、試合で使うのは百首の半分・五十首だけなので空札、それを踏まえて今ある札をとれる“字数”=決まり字を一枚読まれる度に確認して行く)を把握し、体は、千切れるほど動かすとかそういう意味ではなくて、反射神経や集中力、持久力が絶対に必要。試合になると、頭が糖分を消費しつくして一日に体重が3キロほど減るのだとか…恐ろしい!
      今まで知らなかった世界だけに余計引き込まれます。

      △砲弔い董
      メインの登場人物は三人。主人公の千早、幼馴染の太一、二人に百人一首を教えた新。
      そこに、高校のかるた部の仲間や彼らのかるた会の先生、他校のライバルやカルターの頂点に君臨する名人とクイーンなどなどたくさんの登場人物が加わり物語が展開されていくのですが…
      やっぱり主要人物の三人から目が離せない・・・・!
      とくに、主人公は千早だし新はこの物語で一番のキーパーソンなのだが、裏の主人公は太一。『ちはやふる』は太一の成長物語といっても過言ではない。
      太一は家は金持ちだし頭は学校一ええしスポーツも出来ちゃうし顔までジャニーズ系と言うことなしなのだが、その裏には壮絶な努力と葛藤があるんですわ。でまた、いいやつなんだよねえ。千早への淡い恋、新への仲間意識、憧れ、嫉妬、かるたへの情熱。新も新で葛藤があって苦しんだり悩んだりしながら前に進むんですが、私はどうしても太一に魅力を感じてしまいますね。
      そんでまた、千早がひたすら真っ直ぐにかるたに向かう姿が胸を打つんですわ。


      △脳し触れましたが、この話のメインは競技かるた。だから、恋の話はメインじゃない。
      でも百人一首と絡めて、嫉妬や、羨望や、憧憬や、いろんな感情と共に垣間見える恋の話は切なく胸を打ちます。
      これがまた、一筋縄でいかないんですよね。自覚されてない恋心や、憧れにも似た恋、ぼんやりしてて輪郭のない気持ち…。
      青い!青くて、恥ずかしくて、淡くて、切なくて、もうどうしよう!っていう…
      恋愛の直接的な描写は一切ないんですよ。モノローグやら、ほんのりとした空気感であったり。でもだからこそ余計気になってしまうんですよね。


      スポ根です!アツいです!
      下手したらその辺の少年漫画よりもはるかにスポ根してる。“仲間”の尊さに気付く。
      競技かるたではないにせよ、高校生の時いろんな仲間に囲まれてすごして、仲間の大切さを分かっているつもりの身としては、これはこの漫画の中で外せない重要ポイントですわ。
      高校のかるた部やかるた会、幼馴染同士…いろんな仲間の形があって、みんな愛しい。


      これも個人的には声を大にしたいポイント。私は書道や和歌など日本の古典文化に愛を感じていたりするのですが、この漫画はそういう人を増やしてくれる気がする!
      百人一首は、もともとは小学生の時に担任が覚えなさーいと言ったので機械的に覚えただけだけれども、高校の先生のおかげでその魅力・再発見しまして、文法的なことも勉強しなおしました。それで、もっと好きになったんです。日本の伝統芸能ってほんとスバラシイ!
      『ちはやふる』読んで万葉集の世界ももっと覗いてみたいと思ったし、そういう意味で古典文化への導入になる漫画だとも思いますよ。


      長くなりましたが…

      私は今後も、末次由紀を応援し続けたい。
      この『ちはやふる』という物語を心に刻んでいきたい。
      険しい道を行く作者の情熱と、幼く大人びていて、二度と来ない時間を生きる登場人物の輝きをこの肌で感じていたい。
      この作品に敬意を表して。

      : +otaku+ : 17:04 : comments(0) :
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